食用油脂とは

日本農林規格(JAS) が定めた名称で、食用にできる油(常温で液状)と脂(常温で固体状)を全般的に食用油脂といいます。食用油脂は「植物性油脂」と「動物性油脂」、さらに「加工油脂」に分けられます。人間と油の歴史は長く、後期旧石器時代から動物性油脂が灯火用として使われており、1世紀ごろから圧搾法を用いて植物からで油を製造し始めていました。

植物性油脂の種類、特徴

植物性油脂とは、米ぬかやトウモロコシ、大豆、菜種、キャノーラ、ひまわり、紅花、ごま、オリーブなど植物の種子や果実から採った食用油全般を指します。パンやお菓子などの原材料欄で見かける「植物性油脂」には、キャノーラ油、パーム油、大豆油が使われていることが多いようです。不飽和脂肪酸を多く含んでいるため、血をサラサラにしたり、血中の中性脂肪やコレステロールを調整する一方で、遺伝子組み換えの原料から抽出されたり、溶剤抽出法によって製造された油が含まれている可能性があります。遺伝子組み換え食品は、人工的に遺伝子を操作して出来上がっており、がんの発症や健康被害の原因となるとも言われています。また、溶剤抽出法によって製造された油には、健康に害があるといわれているトランス脂肪酸が含まれている可能性が高く、摂取量が多いと、血液中の悪玉コレステロールが増えて、善玉コレステロールが減るといわれており、がんや動脈硬化、心臓病など生活習慣病のリスクが懸念されます。また、大豆油にはリノール酸が含まれており、これは適量なら身体にいい影響を及ぼしますが、過剰摂取でガンやアレルギーの原因となってしまいます。植物性油脂という表示だけでは何が含まれているかわからないため、健康を考えるならばあまり手にとりたくない原材料名です。

動物性油脂の種類、特徴

動物性油脂は、動物の体内に多く含まれている油のことで、ラードやヘット、バター、牛脂を指します。旨味やコクが出る一方、酸化や劣化が早く、体内のコレステロール値を上げる働きがあるため、高コレステロール血症や大腸がん、動脈硬化の危険性が高まると言われています。

加工油脂の種類、特徴

加工油脂とは、原料油脂に水素や水、食塩の添加やエステル交換、かくはんなどの操作を行った油脂のことで、バターやマーガリン、ショートニング、粉末油脂などはこれに属します。酸化に強く、低コストで、多くの加工食品に使われています。マーガリンは「食用のプラスチック」とも呼ばれるくらいで、植物性油脂と同様、トランス脂肪酸が気になる油脂です。トランス脂肪酸は過剰摂取によって生活習慣病やアトピーの原因となります。今や菓子パンやクッキー、スナック菓子、フライ、レトルト食品などにはかかせない原料となっており、スーパーやファーストフード店などの揚げ物類にもショートニングが使われている可能性がとても高いです。欧米や諸外国では既にトランス脂肪酸の表示は義務化されていたり、トランス脂肪酸の使用が禁止になっている地域もあります。その点、食の安全性について日本はやや遅れているとも考えられます。市販のパンには大体これらの油脂が含まれていますが、フランスパンは比較的加工油脂が含まれていないそうです。