コーン油は日本ではサラダ油の一種として、かなりポピュラーで、家庭で日常的に使用されることが多い食用オイルですが、健康に良いとされる反面、問題も指摘されています。
目次
コーン油とは
コーン油は、トウモロコシからコーンスターチを作る際に、本来捨てられるはずの胚芽を原料とした、コーンスターチ生産の副産物ですが、胚芽には油分が約6%しか含まれていないので、1トンのトウモロコシから抽出できる量は約30kgで、大豆油が1トン当たり180kgであることと比べるとかなり少ない量です。
コーン油の特徴
コーン油に含まれる主な脂肪酸は、不飽和脂肪酸であるリノール酸が55%,オレイン酸が27%、飽和脂肪酸のパルミチン酸が10.6%で、リノール酸とオレイン酸は血中の悪玉コレステロールを減少させる働きがあり、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果があると言われています。
またコーン油に多く含まれるビタミンAとビタミンEが、皮膚の粘膜を保護しながら肌のアンチエイジングに貢献し、皮膚炎、小児皮膚炎などに炎症を防ぐために利用されています。
コーン油はまた、貯蔵安定性に優れているので、家庭用だけではなく、マーガリン、マヨネーズやスナック菓子などの加工食品にも多く使われています。
コーン油の問題点
ここでは、コーン油に関する問題点を見てみます。
コーン油はリノール酸を多く含む
必須脂肪酸であるリノール酸は、動脈硬化などの生活習慣病の予防する効果があるだけではなく、私達人間が体で作ることの出来ない成分なので、オイルや食品から摂取する必要があるのですが、過剰摂取すると、逆にアレルギーを引き起こしたり、心臓疾患の病気になるリスクや、免疫力も低下すると言われています。
コーン油の抽出方法
高品質のコーン油は、トウモロコシの胚芽には6%しか油分が含まれていないため、通常の低温圧搾法では抽出するのが困難なので、胚芽に水蒸気を当てて低温圧搾法(コールドプレス)で抽出されますが、日本で販売されているほとんどのコーン油は、高温溶剤抽出法で抽出されています。
高温溶剤抽出法で抽出されたコーン油は、化学溶剤を使用した高温抽出の過程でトランス脂肪酸が発生しますが、トランス脂肪酸は、不妊症や動脈硬化などのリスクを高めたり、アレルギーを引き起こす原因になるといわれています。
コーン油の原料は遺伝子組み換え品種が多い
コーン油の原料であるトウモロコシは、遺伝子組み換え品種である場合が多く、私達人間が摂取するとどのようなリスクがあるのかまだほとんど解明されていませんが、不安にならないためにも過剰摂取は禁物です。
コーン油を使用する際の注意点
ここまでコーン油の特徴と問題点を見てきましたが、コーン油の特徴の良い点を生かして、問題となっているリスクを回避するためには、当たり前のことですが、摂取しすぎないことです。
特に、普段からファストフードやスナック菓子などを多く食べる習慣のある人は、それらの食品に既にリノール酸が多く含まれたオイルが使用されていますから、注意が必要です。
高品質のコーン油を選ぶ
コーン油は、日本ではこめ油と共にプレミアムオイルとされているものですし、熱に強く、とても料理がしやすいオイルですから、ぜひ高品質のものを選んで、他のオイルとも上手に組み合わせて利用してください。