イタリアでは各地域で様々なオリーブオイルが作られています。強い個性と刺激のある北部の有名な産地トスカーナ地方から、フルーティな芳香の南部のプーリア産までヴァラエティに富んでいます。起伏に富んだ土地であるため大量生産は出来ませんが、積極的に最新技術の導入を図っており、品質にもこだわりが見られます。
南と北でバラエティに富むイタリアのオリーブ
イタリアでは年間40~60万トンのオリーブオイルが生産されていると言われています。世界一の生産量を誇るスペインには及びませんが、栽培されるオリーブの品種はイタリアが世界一、シングルエステート(単一農場)のオイルで優れたものはイタリア産に多いのです。歴史的にみると、イタリアは多くの都市国家が集まって出来た国であり、昔から都市によって独立した食文化がありました。当然のことながら、オリーブオイルもその地域によって個性様々、それぞれの土地に合った品種が栽培され、栽培と一緒に搾油も行っているところが多いのです。生産量ではスペインに負けるイタリアですが、搾油所の数はスペインの3倍と言われています。このことからも中小規模の生産者が多いことを示しています。世界的に有名な産地といえば、ルッカを中心としたトスカーナ地方ですが、この地方のオリーブオイルは華やかでフレッシュ、新緑を思わせる芳香が特徴です。またこれはオイルの種類にもよりますが、一般的にペッパーのような後味があることが多いです。
イタリア産のおすすめオリーブオイル
●タジャスカ
産地…イタリア リグーリア地方 チェリアーナ
見た目…不透明 ノンフィルター
色み…淡いゴールド
芳香…熟したオリーブ実のスウィートでフルーティな香り
味…とてもあっさりしていて繊細でスウィートな風味
主な使い方…野菜サラダ、パスタ、魚などにふりかけていただきます。
特徴…リグーリア産のもっとも魅力的なオイルの一つです、とても甘く繊細な風味を持っています。
●バディア
産地…イタリア トスカーナ地方
見た目…透明で明るい
色み…イエロー
芳香…新鮮な青リンゴの思わせるシャープな香り
味…新鮮なオリーブの実の風味、あっさりと心地よい風味。
主な使い方…野菜サラダ、スープやシチューにふりかけていただきます。
特徴…非常にあっさりとしていますが、トスカーナ地方のオイルによくみられるペッパー味が独特です。上質なオイルの上品な風味を持っています。
●イル・レッチェート
産地…イタリア トスカーナ地方 シエナトレクアンダ村
見た目…透明で明るい
色み…ゴールド
芳香…新緑のフレッシュなぴりりとした香り
味…フレッシュな少し青臭い風味。
主な使い方…野菜サラダ、肉や野菜や魚料理にふりかけていただきます。
●ラ・カッシーナ
産地…イタリア ウンブリア地方 ペルージャ
見た目…透明で明るい
色み…ゴールデンイエロー
芳香…程よく熟したオリーブの実のフルーティな香りが広がる
味…ウンブリア産によく見られる、チョコレートを思わせるようなスウィートでフルーティな快い風味。。
主な使い方…野菜サラダ、肉や野菜や魚料理にふりかけていただきます。
地方によって全く異なる特徴を生み出すイタリア、イタリア産のオイルを選ぶときには冒険をするような気持ちで様々な地方のオイルを試してみると良いでしょう。