日本での消費も増加しているオリーブオイルですが、消費量の9割は輸入に頼っています。しかし、産地や品質についての偽造が問題に上がることもあり、安心して使用するには私たち消費者が正しい知識をもって本物のオリーブオイルをみきわめることも必要になってきています。身体によい本物のオリーブオイルとはどのようなものなのでしょうか。
目次
オリーブオイルの日本と国際の基準の違い
オリーブオイルといえばエキストラバージンオイルという名称が浮かぶと思いますが、このエキストラバージンオイルとは一体どのようなオイルなのでしょうか。国際オリーブオイル理事会の定めるオリーブオイルの分類から見ていきましょう。
国際オリーブ理事会とは、オリーブオイルとテーブルオリーブの分野における世界唯一の国際的な政府間組織です。オリーブの生産量はこの理事会に加盟している国で98%を占めています。
オリーブオイルは製造過程から9つに分類されます。その中でも、搾油し他に手を加えていないオリーブオイルのうち化学分析で酸度が0.8%以下で、官能試験において欠陥が無いと判定されたもののみがエキストラバージンオイルとして認められます。
一方、日本では国際オリーブ理事会に加盟していないため、この基準が適用されていません。オリーブオイルについてはJAS規格において、オリーブ特有の香味を有し、おおむね清澄であること、酸価2.0以下であることとするオリーブ油と、おおむね清澄で香味良好であること、酸価は0.6以下であることとする精製オリーブ油の2分類しかありません。
なのでJAS規格によると酸度2%未満がエキストラバージンオイル、それ以外はピュアオリーブオイルとなり、国際基準でのエキストラバージンオイルより質の劣るオリーブオイルでも、表示をエキストラバージンオイルとしても違反にはならないのです。このように国際と日本ではオリーブオイルへの規格基準や規則、定期にずれが生じ、異なってきてしまっています。
日本でも大手メーカーがオリーブオイルを販売していますが、酸度を確認することが大切です。
本物のエキストラバージンオイルの選び方
本物のエキストラバージンオイルを見分けるにはまず容器が遮光性の瓶や缶であるかがポイントです。光を通す透明な瓶や酸素を通しやすいペットボトルは避けましょう。次に酸度が0.8%以下のもの。日本の基準である2%以下と間違わないようにしっかりとチェックします。
価格の安いものも要注意です。質の悪いオリーブオイルを大量生産している危険性があります。オリーブオイルが作られる過程の温度も重要です。オイルは熱に弱く栄養素も無くなってしまいます。30℃以下で作られたものを選びましょう。そしてオリーブの産地と生産された場所が同じかということです。これは原産地名称保護のDOPと地理的表示保護のIGPを見るとわかります。
OLIVE JAPAN
日本では2012年よりオリーブオイルの品質を守るために、東京でオリーブジャパン国際エキストラオリーブオイルコンテストが開催され、品質を保証された本物のオリーブオイルに出会うことができます。オリーブオイルについて詳しくない方でも、コン
味も風味も千差万別、産地やオリーブの実の種類によってもまったくその特徴が異なってくるオリーブオイル、さらには良くない品質のオリーブオイルもあるので気を付けないといけない、となると多くの方はどのオリーブオイルを選んで良いか分からない、という状況に陥るでしょう。悪い品質のオリーブオイルを避けて良いオリーブオイルを選ぶ為のコツをみていきましょう。
良いオリーブオイルに出会うためにはまず店選びから
特にオリーブオイルに力を入れているショップやデパートをご紹介します。
・ヒルサイドパントリー代官山
代官山ヒルサイドにあるパン屋さんですが、食関連の本もおいてあり、約40種のオリーブオイルをそろえています。独自の品ぞろえで思いもかけない逸品がみつかることもあります。通販も可能です。
・イタリア食材の店
「イータリー」東武百貨店池袋店
豊島区西池袋1、池袋西部B2F ザ・ガーデン内
バルサミコ酢などイタリア食材が豊富にそろいます。約40種をそろえ、代引きにて通販も可能です。
・成城石井 成城店
いわずと知れた高級食材店、成城石井。約10種のオリーブオイルをそろえており、注文も可能です。直輸入のオイルがメインのようです。
・紀の国屋インターナショナル
こちらも超有名な高級食材のお店です。約40種をそろえていて、東京23区内に住んでいる方に限り、通販可能となっています。
・ソニープラザ青葉台
雑貨屋さんですが、ティスティングコーナーがあり、約40種のオイルをそろえています。
・有楽町阪急 スパイスコーナー
約110種ものオリーブオイルをそろえており、香辛料も充実しています。
ここ数年で健康ブームからオリーブオイルがポピュラーとなり、オリーブオイルの専門店やオイルバーが増え、惣菜店やマーケット、スーパーなどでもオリーブオイルを数種類そろえているところが増えてきています。実際にテイスティングをして購入するのがベストですが、テイスティングコーナーが設けられてない場合は、どこで、だれによって作られたかという基本的な情報を教えてくれるスタッフがいる店舗で購入するか、その情報が書かれているオリーブオイルを購入するようにしてください。
鮮度が命のオリーブオイル
時間がたつごとに熟成していくワインと違い、オリーブの実100%のジュースであるエクストラヴァージンオリーブオイルは鮮度が命です。その風味と香りは約2か月ほどで失われると言われています。作り手から消費者にわたるまでの間に多くの事業者が介在すると、オイルの出どころや品質が曖昧になってしまうため、新鮮なオイルを入手する為にはオイル製造者に出来るだけ近いオイルを購入することが大切です。また、オイルが保存されている容器も選別には役立ちます。日本ではビン詰めされたオイルがほとんどかと思いますが、その場合は濃い色のガラス瓶か光を遮断する素材の容器に入ったオイルを選びます。オリーブオイルは光に当たるとすぐに酸化して品質が劣化してしまうためです。どれだけ品質に優れているオイルであっても、一旦開栓してしまうとどんどん劣化は進みます。劣化したオイルは健康に良いどころか、身体に悪影響を及ぼす恐れがある為、短期間で使いきれる量だけ購入するようにしましょう。