パーム油は、食用だけではなく、石鹸、化粧品からバイオエネルギーに至るまで幅広く利用されているおいるです。
健康に良いとされる反面、問題点もいくつか指摘されています。
目次
パーム油とは
パーム油は、ギニアアブラヤシの果肉を圧搾して抽出された、常温の状態で固まっているオイルで、オレンジ色の未精製のものと、白い精製したものがあります。
ギニアアブラヤシの主な産地はマレーシアとインドネシアで、世界のパーム油の80%以上が生産されています。
パーム油の特徴
主な成分は、パルミチン酸50%、オレイン酸45%、リノール酸10%などで、未精製のパーム油にはベータカロテンが豊富にふくまれていますが、精製の段階で失われてしまうので、精製されたパーム油には含まれていません。
とても使いやすいオイルのため、食用オイルとして以外にもインスタント食品、スナック菓子、マーガリン、アイスクリーム、チョコレート、ショートニングの代用など幅ひろい加工食品使用されています。
パーム油の効能
未精製のパーム油にはベータカロテンが豊富に含まれていますが、ベータカロテンは体内の入るとビタミンAに変化します。
ビタミンAは、皮膚の粘膜を保護し、動脈硬化やがんを予防をする効果があり、パーム油に50%も含まれるパルミチン酸がビタミンAの安定剤の役目をしてくれるので、体の内側からアンチエイジングをする効果が期待されます。
またパーム油には、アルミリン酸という成分も含まれていて、このアルミリン酸とオレイン酸を肌につけて利用することによって、肌を保湿してくれます。
そして、オレイン酸にはビタミンEが含まれていますから、肌の活性化にも作用します。
パーム油の問題点
パーム油は、二種類の抽出法で抽出されます。
一つは低温圧搾法で抽出され、未精製のまま製品化されるもの、もう一方は高温溶剤抽出法で抽出された後、精製されます。
問題となるのは高温溶剤抽出法で抽出されたパーム油で、高温と溶剤の化学物質によって、トランス脂肪酸などの有害物質が混入している可能性があります。
トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やして血管や心臓の病気を誘発する危険性があると報告されています。
また日本では、食品衛生法で認められているトコフェノールやBHA(ブチルヒトドロキシアニソール)が酸化防止剤としてパーム油に使われていることありますが、BHAは危険物質で、アレルギー、関節炎、がん、頭痛、不眠やADHDなどの病気を引き起こす原因となる可能性があると言われています。
パーム油は、ファストフード店などの外食産業でも使用されていて、気が付かないうちに必要以上にパーム油を摂取している可能性もありますから、意識をして過剰摂取には気を付けたいものです。
また、パーム油は、深刻な自然破壊の問題も抱えています。
世界中でパ―ム油の需要が高く、プランテーションの不法開発のための熱帯森林伐採が盛んに行われ、自然の生態系が壊れ始めています。
そこで、2013年にRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)によって認証制度ができました。
パーム油を購入する時は、安全なものを選ぶと同時に、認証を受けた信頼のあるものを選ぶようにしましょう。