よく、酸化したオイルは体に悪影響を及ぼすと言われます。
オイルが酸化するとはどういうことなのか、酸化したオイルはどのように私達の体に悪影響を及ぼすのか、そして、オイルが酸化しないようにするにはどうしたらよいのかを考えてみます。
目次
オイルの酸化とは
オイルの酸化の原因は、主に空気中の酸素や熱、温度、光そして金属などに触れることによって、活性酸素が発生して過酸化脂質が出来ることで、過酸化脂質は私達の体に有害な成分です。
酸化したオイルの体への影響
酸化したオイルが体の中に入ると、活性酸素や過酸化脂質が細胞を酸化させて、動脈硬化の原因になると言われています。
過酸化脂質の一種であるスーパーオキシドアニオンは、発がん物質で、DNAを傷つける作用があると言われています。
また美容オイルも、空気や光、温度や保存期間の長さによって酸化します。
酸化したオイルを肌につけてから日光に当たると、シミになる可能性があります。
酸化したオイルの見分け方
酸化したオイルを使用してしまわないように、見分け方を覚えましょう。
比較的低い温度で煙が出る
一般的に食用植物オイルの発煙点は、220℃~240℃ですが、酸化したオイルは170℃で発煙します。
消えにくい泡が出る
揚げ物をしたときに、オイルになかなか消えない泡がたくさん出たときは、そのオイルは酸化しています。
温度が下がった時に粘りが出る
オイルを冷ました時に粘りが出るのは、オイルが酸化したときに出来る化合物が発生しているからです。
変なにおいがする
オイルが酸化すると、普段は無臭のオイルでも油臭いような変なにおいがします。
色が変化する
普段透明なオイルが茶色に変色しているのは、酸化しているということです。特に、何度も揚げ物に使ったオイルはそうなることが多いようです。
酸化しやすいオイルと酸化しにくいオイル
一般的にオイルは、飽和脂肪酸が多いと酸化しにくく、不飽和脂肪酸が多いと酸化しやすくなりますが、不飽和脂肪酸の中でもオレイン酸は酸化しにくく、またビタミンEなどの抗酸化成分が含まれてることで、さらに酸化しにくくなります。
具体的な例を挙げると、酸化しやすいオイルは、コーン油、クルミ油、グレープシードオイルなどで、ココナッツオイル、オリーブオイル、ピーナッツオイルなどが酸化に強いオイルです。
また、揚げものに適しているかの目安として、臨界温度はあります。
この場合、コーン油、、クルミ油が140℃で、グレープシードオイルが150℃ですから、揚げ物には向きません。
そして、ココナッツオイルの臨界温度は200℃、オリーブオイルが210℃、ピーナッツオイルが220℃と高いので、揚げ物には最適ですが、どの種類のオイルも臨界温度を超えると有害物質が発生しますから、常に臨界温度以下で調理することが大事です。
とくにリノレン酸とリノール酸は、臨界温度を超えて加熱すると、トランス脂肪酸がに変化します。
オイルを酸化させないために
いくら臨界温度以下で加熱しても、空気に触れる時間が長かったり、何度も揚げ物に使ったりすると酸化しますから、『酸化したオイルの見分け方』を参考にして、注意して使用しましょう。
そして、必ず冷暗所で、出来る限り密閉した状態で保存し、すでに開封したオイルは、出来るでけ早く使い切りましょう。