綿実油とは

綿実油とは、アオイ科の一年草である綿の種子を絞って出て来た油のことを言い、サラダ油にも使われています。起源は中国やインドとも言われ、アジア諸国内では菜種油、ピーナツ油に続く三大食用油の1つとされています。日本では江戸時代にせんい綿花栽培が発展した影響から、綿実油の精製も始まりました。しかし、明治29年以降輸入綿花への関税が撤廃され、海外産の安価な綿花を輸入するようになり、綿花栽培が衰退していきます。それと同時に綿実油の精製も下火となり、今では岡村製油会社の一社のみが国内で綿実油の製造・販売を行っています。世界的に見た大々的な綿実油の生産は、19世紀に欧米諸国で始まりましたが、第二次世界大戦後は安価な大豆油の生産量増加により綿実油の生産は減少しました。また、搾りかすは反芻動物の飼料や農作物の肥料として再利用されています。また、原材料はアメリカのものが多く、遺伝子組み換えが気になる方はきちんと確認する必要があります。精製方法については、低温圧搾法を利用しているものが比較的安心して使うことができます。

綿実油の特徴

綿実油は、ほぼ無臭で淡い黄色をしています。独特の上質なコクとまろやかな軽い味わいがあり、保存がききます。加熱した際に比較的酸化しにくいため、スナック菓子やツナ缶の油漬け用など食品加工に使用されています。意外なところでは手延べ素麺に使われており、麺の付着防止や乾燥防止、麺のコシの向上などの効果を発揮しています。どんな料理にも使えることから「サラダ油の王様」と呼ばれることもあります。また、滑らかさを活かして、石鹸やクリーム、除光液などの化粧品にも使われています。成分としてはリノール酸やビタミンEが多いです。特にビタミンEは植物油の中ではトップの含有量となっています。ビタミンEには抗酸化作用があり、老化や動脈硬化防止の効果が期待できます。

綿実油の効果、効能

綿実油に含まれるリノール酸により、コレステロールを下げて身体の健康を維持することができます。しかし、その一方、現代人はリノール酸を過剰摂取しているとも言われています。リノール酸の過剰摂取により、血液の凝集作用が進み、心臓疾患やアトピー、花粉症、生活習慣病の原因となることもあります。そのためバランスよく摂取することが大切です。

綿実油の使い方、食べ方

●揚げ油として

綿実油は発煙温度や引火温度が高いため揚げ物に適しており、さっくり黄金色に揚げ上がり、食材に独特の風味を与えます。高級料亭やレストランで使われる例も多いです。また、揚げている際に不快なにおいを発しないため、油酔いも少ないと言われています。

●ドレッシングとして

きちんと精製された綿実油は、まろやかなコクでうまみを深める効果があります。

●石けんとして

綿実油は融点が低いパルミチン酸を豊富に含み、石けんを固形化する手助けをします。さらに、わずかに含まれるミリスチン酸と多く含まれるリノール酸が相乗効果を引き起こし、大きな泡をキープします。保湿成分は非常に少なく、さっぱりとした仕上がりになります。リノール酸が多く含まれるなど不安が残る場合は、肌用ではなく、キッチンや洗濯、掃除用の石けんとして使うことをおすすめします。