ギリシャ産のオリーブオイル

生産量では近隣のスペイン、イタリアに劣るもののその品質の高さでは群を抜く水準を保っているギリシャ産のオリーブオイル、あまり店頭で見かけることはないかもしれませんが、その品質の高さから、最近では品質を高めることを目的にブレンドされて売られているものも多いようです。生産地がイタリアとなっていてもそのオイルにはギリシャ産のオリーブオイルがブレンドされているかもしれません。あまり店頭に出回らないギリシャ産のオリーブオイルと、そのオリーブオイルにぴったりなレシピも合わせてご紹介します。

カラマタ種100%のギリシャ産オリーブオイル「アテナ」

ギリシャ南部、ペロポネソス半島のカラマタとメッシニアには大小さまざまオリーブ農園の協同組合が存在します。その農園からとれたカラマタ種のオリーブ100%で作られたオリーブオイルが「アテナ」です。緯度の関係から、殺虫剤はほぼ使用しておらず、10月上旬から半ばごろまでに収穫されます。伝統的な製法と比較的新しい遠心分離法を組み合わせた独自の製法で、数少ないカラマタ産エキストラヴァージンオリーブオイルが出来上がるのです。その芳香は干し草を思わせるようなナッツ系の軽い香り、渋みはありますが、スイバ酸味とうまくマッチしたユニークな風味をもっています。

※「アテナ」のオリーブオイルで作るマリネのレシピ

ライムのしぼり汁、レモンのしぼり汁を各大さじ2、ニンニク少々、刻んだアサツキ、塩、こしょうとたっぷりのエキストラヴァージンオリーブオイルを混ぜ合わせます。このドレッシングにマグロを漬けて1時間ほどおきます。しっかりとドレッシングに浸かったらそのままオーブンで焼くか、またはフライパンでたっぷりのオリーブオイルとともに揚げ焼きにします。

イギリスから出荷されるギリシャ産オリーブオイル「サイプレッサ」と「エレアンソス」

カッツーリス兄弟が経営するオリーブオイルの輸出業者、カッツーリスブラザーズ社の出荷するギリシャで生産されたオリーブオイルです。もともとキプロス島にオリーブ農園を持っていた兄弟はその農園を失ったときにギリシャの本土からオリーブオイルを出荷しようと考えました。それがもととなり、現在出荷されているオリーブオイルは2種、どちらも南ギリシャのラコニア地方で育つカラマタ種を原料とした、エキストラヴァージンオリーブオイルです。その1つの「サイプレッサ」は10月~1月に手摘みで収穫され、熱を加えない遠心分離法で採油されます。青草の香りにナッツの芳香が加わり、程よい辛みと甘みを備えたナッツ風味の後味が特徴です。また、同じくカラマタ種から作られる2つ目のオイルは「エレアントス」、青草とサラダ菜の魅力的な芳香にナッツの香りがほのかに漂い、味は多彩、青草と香ばしいナッツ系の多彩な風味が広がります。少々の辛みはありますが、スイバの甘辛さがプラスされ、最高級のヘーゼルナッツの味が後に残ります。

残念ながらあまり市場に出回ることのないギリシャ産のオリーブオイルですが、上質のエキストラヴァージンオリーブオイルがそろうギリシャ産オリーブオイル、今回ご紹介したブランド以外にも様々な良質のオリーブオイルが存在します。その味は以前は「苦すぎる」と酷評されたこともありましたが、近年ブレンドの技術の向上によって改善してきているようです。輸入量も少な目で店頭には並びにくいですが、マーケットなどで目にしたら試してみる価値ありです。

フランス産のオリーブオイル

フランスのオリーブオイル生産量はすべての生産国の中でも少なめで、店頭にはまだそれほど多くのフランス産のオイルをみることは出来ませんが、寒暖の差が激しい地域で育ったオイルは独特の香りがあり、その高品質さと甘みのある繊細な風味は高い評価を受けています。

フランス最大の産地 プロヴァンス地方

フランス産オリーブオイルの最大の産地は南仏のプロヴァンス地方です。この地域はオリーブの栽培の北限とされており、全域には何百もの搾油所があり、そこを何千もの小さな業者が利用しています。生産量は少ないものの、その品質の高さには定評があり、イタリアやスペインからわざわざフランス産のオリーブオイルを買い求める人もいるそうです。プロヴァンスでオリーブの町といえば、アルプスふもとの町、ニヨンです。ここで作られるオイルはタンシュ種という品種で作られており、その風味は甘くてフルーティです。また、もう少し南に下るとレザルピーユの丘のふもとにモーサンヌという町があります。

この地の有名な協同組合で生産されるオイルは主にピコリーネという品種を使用しており、ヴァレー・デ・ボーという名のもとに栽培されています。独特の強い風味をもち、フランス最高のオイルと高く評価されています。フランスのオリーブの生産量が少ない一つの原因は数十年前にヨーロッパを襲った歴史的な大寒波による影響が強いでしょう。スペインやイタリア、ギリシャなど、他のオリーブ生産国ではそこまでの被害はなかったのですが、フランスでは特にプロヴァンス地方が大被害を受けました。プロヴァンス地方に広がっていたオリーブ農園も当然のごとく被害をこうむったのです。もともと生育がゆっくりとしているオリーブの木は時間をかけて回復し、今、フランスのオリーブ産業は復活しつつあります。フランス産のオリーブの収穫時期は他の地域よりもやや遅めで10月~1月ごろとなっています。厳しい環境の中で育ったからこその繊細で香り高いオリーブオイルが作られます。

フランス産のおすすめオリーブオイル

●アロリヴィエ/ア・ラ・パリジェンヌ
産地…フランス ニース地方
見た目…透明で明るい
色み…イエロー
芳香…オリーブの果実の香り
味…フルーティで快いオリーブの実の風味
主な使い方…サラダドレッシング、野菜、焼き魚などに。
特徴…非常にバランスのとれたオイルです。全体的に軽めのタイプで毎日使うのに適しています。

●ジェームス・ブラニオル
産地…フランス マルセイユ地方
見た目…透明で明るい
色み…イエロー
芳香…熟したトロピカルフルーツのスイートではっきりとした香り
味…豊かでスイートな、熟したトロピカルフルーツの風味
主な使い方…グリルした野菜や焼き魚、焼き肉、スープやサラダにふりかけて。
特徴…素晴らしくスイートなオイルです。南フランスの太陽をいっぱいに浴びたタイプの典型のようなオイルといえます。

●プジェ
産地…フランス マルセイユ地方
見た目…透明で明るい
色み…イエロー
芳香…土っぽい香り
味…土のついた野菜を思わせるあっさりしたタイプ、長引かないすっきりとした後味です。
主な使い方…野菜サラダ、野菜や魚料理にふりかけて。
特徴…雨の多い地方で作られた大変魅力的なオイルです。あっさりしていてとてもエレガント、あまり後味をひかないのが惜しいくらいです。