ギリシャのオリーブオイルの生産量はスペイン、イタリアに次いで世界で第3位です。理化学的品質、官能的品質で定められた基準値をクリアした最高のグレードのオイルに与えられるエキストラ・ヴァージンオリーブオイルの割合が全体の生産量の70~80%を占めると言われており、その品質は非常に高いと言えるでしょう。エキストラヴァージンオリーブオイルの割合だけでいうと、イタリアでは50%、スペインでは30%ですから、他の国と比較することでギリシャの品質の高さはより顕著となります。ギリシャ産のオリーブオイルには一般的に草のような香りと苦みがあり、英国では「粗雑でくどい」などと酷評されていた時代もあったようです。しかし最近ではブレンド技術によって軽く口当たり良く品質改善されています。

ギリシャの土地が育む高品質のオリーブ

ギリシャ産のオリーブオイルは、その品質の高さからも近隣の国に多量に輸出され、イタリアなどではその高品質なオイルをブレンドすることで自国のオイルの品質を向上させています。高品質なオリーブオイルを生んでいるのは、ギリシャの気候や土壌です。ヨーロッパでも群を抜いて降水量の少ないギリシャの土壌で育ったオリーブの木は、生きるためにより深く深くと土壌の深部に根をのばし水を得ようとします。その結果として、実のしっかりとした、中身の濃い美味しいオリーブが出来上がるのです。産地はペロポネソスやクレタ島が知られており、主要な品種はコロネイキという品種です。

ギリシャ産のおすすめオリーブオイル

●エレオン

産地…ギリシャ ぺロポネス半島北部 エヤリア
見た目…透明で明るい
色み…イエロー
芳香…ほとんどかすかにチーズと土のついた野菜の香り
味…口当たりはなめらかで葉の風味、チーズを思わせる後味
主な使い方…揚げ物に最適
特徴…フルーティで心地よい苦味があります。強い個性を持つギリシャ産のオリーブオイルの中でも比較的あっさりとした風味です。

●エクストリオ

産地…ギリシャ ぺロポネソス半島 クレタ島
見た目…透明で明るい
色み…ダークイエロー
芳香…かすかによく熟したオリーブの実の香り
味…とてもマイルドなオリーブの風味がありますが、後味はすっきりと消えていくような印象
主な使い方…料理全般、サラダドレッシング
特徴…強い個性を持つギリシャ産のオリーブオイルの中でも芳香や風味は少々微弱です。

●ナパリノ

産地…ギリシャ  カラマタ
見た目…透明で明るい
色み…ゴールド
芳香…かすかに程よく熟したオリーブの香りが感じられます。
味…わずかに苦味がありますが、後味などはあまりない印象です。
主な使い方…野菜サラダ、肉や野菜や魚料理にふりかけていただきます。

ギリシャでは古くから伝わる健康法の一つとして「毎日スプーン一2杯のオリーブオイルを飲むと良い」と言われています。5000年も前からオリーブの木を栽培してきたギリシャ、そしてギリシャの家庭オリーブオイルは日常の料理に欠かせないものとなっています。料理だけではなく、女性の髪のトリートメント剤として、赤ちゃんの離乳食として、ギリシャではオリーブオイルが生活に根付いているのです。

イカリア島の人々とオリーブオイル

エーゲ海に浮かぶギリシャの島「イカリア島」をご存じでしょうか。人口はおよそ8千万人、沖縄の石垣島よりも少し大きめのこの島は、近年長寿の島として注目を浴びています。実際にイカリア島ではほとんどの人々が世界の平均寿命を超えており、3人に1人のイカリア人は90歳以上、さらには100歳まで生きると言われています。2004年に冒険家ダン・ベットナーが始めたプロジェクト「ブルーゾーン」では日本の沖縄と並んで長寿の地域に選ばれました。BBCやCNN、ガーディアン誌、NYタイムズ誌など数々の誌面でも取り上げられています。イカリアの人々はただ長寿なだけではありません。より健康な人生を送り、そして自然に死んでいくのです。その長寿の秘密はどこにあるのか、様々な研究がなされた結果、少しずつ秘密が解き明かされてきました。

・ヤギのミルクを飲む
・ハーブティーを飲む
・日常的に運動をすること
・シエスタ(昼寝)の習慣
・家族や友人との時間を大切にすること
・食卓:魚介類、野菜、豆類

これらが、イカリア島の人々の生活です。
そして「オリーブオイル」こそがイカリア島の長寿の秘密なのです。イカリア島は広大な山岳地形を持ち、オリーブの木は人々の手で作られた石の段々畑で栽培されていますが、これらのオリーブの木々は全てもともとイカリア島に生育していた野生のオリーブの木から接ぎ木され、人々が栽培したものと言われています。
人の手が入っていない、自然豊かなイメージのイカリア島ですが、第2次世界大戦のさなかにはドイツとイタリアの支配を受けていた時期がありました。その占領により人々は飢餓の危機にさらされましたが、オリーブオイルのおかげで生き延びることが出来たと言います。オリーブの実を食べ、その収穫された実でオリーブオイルをつくり、飢餓の免れたのでしょう。イカリア島の人々にとって、オリーブオイルはまさに神からの授かりものだったのです。
オリーブの収穫は、季節ごとに廻ってくる、イカリアの人々にとってはかかせない仕事となっています。毎年、10月のおわりから2月まで、たくさんのイカリア人たちがオリーブ農園で働き、オリーブの実を収穫します。オリーブ農園を所有しない人々も所有者の農園を手伝い、そこで報酬として受け取るのはお金の代わりにオリーブです。
島には搾油所が一か所あり、たくさんのオリーブの実を収穫した人々はその実を絞ってオリーブオイルを作る為にその搾油所に集まってきます。人々は自分の収穫するオリーブや作り出すオリーブオイルに非常に気をつかい慎重に搾油をします。なぜなら、そのオリーブオイルは自分やその家族のためのものであり、自分や家族の健康を守るためにはみな非常に真剣です。イカリア島で作られたオリーブオイルはほとんど全てと言っていいほど、自国で消費されるため、イカリア産のオリーブオイルを店頭でみかけるのは難しいでしょう。自分たちで消費するからこそ、品質の良いものを作ることに真剣なのです。

実際に100歳まで生きたイカリアの人々はオリーブオイルが自分たちの健康に及ぼしている効果を知らないかもしれません。ただ、その経験と感覚で確かに感じ取っているのです。