オリーブの実を収穫した後に運ばれるのが搾油所です。多くの工程を経て作られるオリーブオイルの搾油工程の前半をご紹介します。

オリーブ畑から搾油所へ

オリーブは求める熟度になったら一気に収穫し、速やかに搾油所に運ばれます。収穫されたオリーブはこの時箱に入れられていますがあまり詰め込み過ぎるとオリーブの重さで下の実がつぶれて傷んでしまうので入れる量も計算されています。

搾油所は大きい畑を持つ農家では専用の備え付け搾油所があります。しかし小さな畑が集まる集落には地域のオリーブ農家が共同で使える搾油所があり、ここで絞るのが一般的です。搾油所には収穫したオリーブから葉や茎を取り除く機械やオリーブを潰す機械、オイルだけを取り出す遠心分離機などが揃っています。

洗浄~異物除去

収穫されたオリーブの実は振り落として収穫したため茎や葉が混ざったままの状態です。まずは階段状のベルトコンベアに乗せて葉と茎が取り除かれます。その後洗浄してきれいにされた実は次の工程に進みます。

種は基本的にそのままつぶしてオイルに加工します。ごくわずかですが種を取り除いた状態の実のみで加工されるデノッチョラートと呼ばれる加工法もあります。デノッチョラートは純粋にオリーブの実だけを絞ることでオリーブそのもののデリケートなおいしさのオイルになります。

粉砕~練り込み

葉を取り除いて洗浄されたオリーブはペースト状に粉砕されます。現在はほとんどが機械化されていますが昔は大きな石臼が縦に回って粉砕する方法を取っていました。

粉砕されたオリーブは機械によって「練り込み」という工程に移ります。練り込みとは細かいペースト状になったオリーブを機械を使ってしっかり練ることで実の中にあるオイルの分子が大きくなってオイルとして抽出できるようになり、さらに香りの成分が生まれます。

家庭で収穫したオリーブからオリーブオイルを作るのが不可能なのはこの工程が難しいことにあります。

品質を考慮した搾油

昔は石臼で粉砕していたオリーブを現在では機械を使っているのには効率化のほかに理由があります。お上質なオリーブオイルを生み出すのに気を付けなければいけないのが温度と空気です。

温度と空気はいずれもオリーブの酸化を早めてしまう要因になります。これをいかに避けるかが風味豊かな上質のオリーブオイルを生み出すポイントになります。石臼で粉砕する場合オリーブは空気にさらされて高い温度のまま加工されることでどんどん酸化していきます。粉砕したオリーブは表面積が広くなっているため酸素の影響を受けやすくなっているのです。

一方機械での粉砕は外気を極力遮断した中で空気に極力ふれさせずに粉砕出来、温度管理がなされた中での練り込みを可能にします。練り込みは「27℃以下で15~30分」の中で行われるのが最も品質が保たれ、香りの成分がもっとも良い状態のオリーブオイル出来ると言われています。

もちろん、伝統的に石臼を使った製法にはゆっくり粉砕することで摩擦熱がおきにくく、風味が残り、雑みは出にくいというメリットがあります。機械にも石臼にもメリットデメリットがあり規模や求めるオリーブオイルの質によって選べばれているようです。