最近の健康ブームで人気者となったオリーブオイルですが、その香りや味、風味はオリーブの実の品種や生産された場所などによって千差万別です。最近ではスーパーマーケットやマルシェなどでも数種類のオリーブオイルを取りそろえているところが増えてきました。世界にはたくさんのオリーブ農園があり、そのオリーブ農園で採取されたオリーブが採取され、圧搾されてオリーブオイルとなり、ボトリングされて消費者のもとに届くにはたくさんの工程があります。普段、店頭に並んでいるオリーブオイルの瓶からは見えない、生産者の農園の歴史からオリーブオイルをみてみると、また違った味わいがあるのではないでしょうか。今回は最高級のエクストラヴァージンオリーブオイルを生産する地域として名高い、スペインのアンダルシア地方にある歴史ある農園をご紹介します。

ヌニェス・デ・プラド(NUNES DE PRADO)

ヌニェス・デ・プラド家の農園はスペイン、アンダルシア地方、バエナの中心に所在し、1795年から7世代にもわたってこの地でオリーブオイルを生産し続けている、数あるスペインの農園の中でも歴史の深いオリーブ農園です。現在4か所ある農園を合わせて1480エーカーものオリーブ畑を所有していますが、全てのオリーブは徹底して有機栽培で栽培されており、肥料や農薬は一切使用していません。オリーブの種類としてはピクド種、オヒブランカ種、ピクアル種の3種で、手摘みで収穫されたこれらのオリーブは、畑で洗浄されてから昔ながらの製法である石臼で粉砕され、サンタルシアにある採油場に送られます。
伝統的な圧搾法である部分抽出方で出来た「油の花」は最上級のエキストラヴァージンオリーブオイルのもととなります。その香りは安定していますが、やはりその年によって微妙に変化するようです。レモン、リンゴ、メロン、パッションフルーツ、バナナなどのフルーツが競い合っているような豊かでかつ、エキゾチックな芳香と味わい、ほんの少しの刺激がありますが、その後口はとてもなめらかです。

オリーブオイルを使った伝統のレシピ

世界のオリーブ畑の27%がスペインにあるというほど、オリーブオイルの生産が盛んなスペイン、その生産量は世界一を誇り、当然のごとく、スペイン料理はオリーブオイルがベースとなっています。スペインのスーパーに行けば、陳列棚に様々なタイプのオリーブオイルが並んでいるのを目にするでしょう。家庭用の特大サイズからお土産用の小びんのもの、エキストラヴァージンオリーブオイルからピュアオイル、オーガニックのものとその種類は幅広く、価格もピンキリです。スーパーの他にも街を歩けば必ずオリーブオイルの専門店があり、大概そういうオイルの専門店ではティスティングコーナーがあったり、オリーブオイルの確かな知識を持ったソムリエがいたりするので、お土産選びなどにはおすすめです。
この地方で徹底してこだわって作られた最高級のエクストラヴァージンオリーブオイルを使って作る、伝統のスペイン料理のレシピをご紹介します。

スペイン料理の定番「パエリア」

日本では「パエリア」というと、豪華で華やかなおもてなし料理、自宅で作るのは少し難しい外国の料理というイメージがありますが、実はとてもシンプルで簡単な料理です。スペイン料理では私たち日本人が想像も出来ないほどの大量のオリーブオイルを使用するのですが、やはりこの「パエリア」も通常オリーブオイルを大量に使用します。本場のスペインでは必ず家庭に一つパエリアパンがあるそうです。パエリア作りで一番重要なことは火加減と、鍋の隅々にまで火がうまく行き届き、食材に均等に火を入れることです。そのため、平たくて熱の伝導が良い素材で作られているパエリアパンはスペインの家庭に欠かせないものとなっています。とはいっても日本ではなかなかなじみのないパエリアパン、ご家庭に備えている方は少ないのではないでしょうか。今回は専用のパエリアパンがなくても自宅でも簡単に作れるパエリアのレシピをご紹介します。

鶏肉とあさりのパエリアのレシピ

鶏肉にあさり、玉ねぎやトマトジュースと、うまみの出る素材になつめを加えることで甘みと酸味が加わってより深い味わいになったパエリアです。普通のご家庭にある鍋と材料で簡単に本場の味になります。

【材料】4人分

・米 2合 ※タイ米があればより本格的な味わいになります。
・鶏の手羽元 8~10本

(A)
・塩 小さじ2/3
・こしょう 少々
・あさり(砂抜きして殻を洗う) 250~300g

(B)
・玉ねぎ 1個(200g)※みじん切りにする。
・ニンニク 1片 ※みじん切りにする。
・オリーブオイル 大さじ3
・カレー粉 小さじ1
・白ワイン 大さじ2
・トマト野菜ジュース 1缶(190g)※有塩のものが良いです。
・赤パプリカ 1個

(C)
・熱湯 1 1/2カップ
・干しなつめ 12個
・サフラン 小さじ1
・塩 小さじ1/2
・レモン1個

【作り方】

①鶏肉は水気を拭いてAの塩とこしょうをからめる。赤パプリカはへたを切り取り、種を除いて縦1cm幅に切る。
②Cのスープを混ぜ合わせておく。
③鍋にオリーブオイル、Bの玉ねぎとニンニクを入れて蓋をし、蒸らしいため焼きにし、鶏肉を加えて炒め、色が変わったらカレー粉、砂抜きをしたあさり、白ワインをいれて蓋をし、2分程蒸して口の開いたあさりを取り出す。
④③に②とジュースを入れて煮立て、米を洗わずに加え、鍋底から混ぜる。鶏肉を持ちあげて米がのらないように平らにし、赤パプリカをのせてふたをする。
⑤を中火で1分、弱火で15分たき、あさりを戻して蓋をして火を止め、5~10分好みの加減に蒸らす。レモンを絞っていただく。

おもてなし料理の定番「パエリア」がご家庭にある鍋とオリーブオイルで簡単にできてしまいます。具材も特に決まっていないので冷蔵庫にあるものでアレンジ可能です。是非おもてなしの際や夕飯に作ってみてください。

魚介類のピカダトマトソース

① エシャロットとニンニクをエキストラヴァージンオリーブオイルで炒め、ざく切りにした完熟のトマトと混ぜ、手早くソースを作ります。
② トマトピューレと塩、こしょうを加えます。
③ 耳を切り取ったパンを多めのエクストラヴァージンオリーブオイルで黄金色に焼きます。
④ ミキサーにパンとアーモンドパウダー大さじ2、赤ピーマン1/2個、パセリのみじん切り、ディル、タイム少々を入れてブレンドします。
⑤ ホタテやエビなど魚介類の片面のみを2~3分焼きます。
⑥ ④のピカダをトマトソースに加え、かき混ぜ、ホタテやエビをのせていただきます。

サルモレッホ

古くから地方に伝わる伝統的なスープです。

① まず、スープにかける付け合わせを作ります。卵1個を固ゆでにし、さらにエクストラヴァージンオリーブオイルで大き目のパン一切れを軽めの黄金色に揚げます。
② 冷ましたパンと卵をさいの目に切り、細かく切った生ハムを混ぜ合わせます。
③ ミキサーかハンドプロセッサーに水で湿らせたパン粉500g、種を取って適当な大きさにカットしたピーマン大1個、完熟トマト250g、ニンニク3片、エクストラヴァージンオリーブオイル250ccを加えてブレンドし、シェリービネガーを少量加えます。
④ この上に②の付け合わせをのせていただきます。