亜麻仁油と並んで、美容と健康への効能効果に優れていると言われているえごま油について説明します。
目次
えごま油とは
えごまは東アジアが原産ですが、現在国内で販売されているえごま油の多くは、国内で生産されたものです。
えごま油は、しそ科のえごまの種子から抽出されたオイルで、しそ油とも呼ばれます。
えごま油の特徴
えごま油が他の植物油より優れている点は、植物油の中でも1位、2位を争うほどのαリノレン酸の含有量にあります。
αリノレン酸(オメガ3脂肪酸)は、体内でDHA、EPAという青魚などに多く含まれる脂肪酸に変化し、悪玉コレステロールを減少させる効果があり、また、加齢により活動が低下した脳を活性化させる働きがあります。
えごま油のもう一つの特徴として、とても酸化に弱いということが挙げられます。
そのため、えごま油は高温に弱く、基本的に低温圧搾法で抽出され、加熱料理には向きません。
えごま油の美容への効能効果
えごま油には、保湿や肌を柔軟にする作用に優れ、鎮静作用や肌を修復する作用もあり、加齢で失った肌の栄養分を補って、若々しい肌へと導きます。
また、えごま油にはダイエット効果もあります。
αリノレン酸が豊富に含まれているえごま油を朝に摂取することにより、軽い運動を少しやっただけでも体脂肪が燃焼しやすくなるという報告があります。
えごま油の健康への効能効果
えごま油の健康への効能効果はとても高いと言われています。
認知症の予防につながる
えごま油に含まれるαリノレン酸の量が、他の植物オイルとの比べて非常に多いため、体内で変換されるDHAの量も他のαリノレン酸を含むオイルに比べて多くなります。
そのDHAが脳の機能に働きかけて、認知症など脳の疾患に効果があると言われていますから、普段魚をあまり食べない人には、えごま油は最適と言えます。
血中の脂肪、悪玉コレステロールを減少
αリノレン酸はまた、血中の脂肪、悪玉コレステロールを減少させて、動脈硬化や心臓疾患、脳梗塞などの予防に効果があります。
アトピー性皮膚炎やアレルギー症状の改善
現代人は、日ごろ気が付かないうちにリノール酸を過剰摂取している傾向があり、そのことがアトピー性皮膚炎やアレルギーを引き起こす原因の一つであると言われていますが、えごま油に豊富に含まれるαリノレン酸が、アトピー性皮膚炎やアレルギー症状を改善する働きをします。
えごま油の使い方
えごま油に豊富に含まれるαリノレン酸を効率よく毎日摂取するには、一日に小さじ半分で十分とされています。
えごま油を料理に使う場合は、荏胡麻油の酸化に弱いので加熱料理は避けるべきですが、加熱料理の仕上げに使うことは可能です。
たとえば、みそしるやスープに2~3滴落としたり、焼き魚や肉料理にかけるとコクが出て美味しくなります。
またえごま油は、たんぱく質と一緒に取ると脳細胞同士のつながりを強化する効果があるので、肉や魚以外でも、豆腐や納豆、卵かけごはんなどにかけるのもお勧めです。
えごま油は、味に多少癖があるので、苦手な人はオリーブオイルやごま油など他の香りがやや強いオイルと混ぜて生で使うのも良い方法です。
えごま油の保存方法
えごま油はとても酸化に弱いので、高温多湿を避け、冷暗所で、夏は冷蔵庫で保存し、開封後は3ヵ月以内で使い切りましょう。